「一衣帯水」から「似て非なる国」へ
思わぬところにコミュニケーションギャップも (Bizpresso3月号掲載)
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上海華鐘信息管理コンサルティング有限公司
カスタマーサービス部主任
金森 愛
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2009年3月末に設立された上海華鐘信息管理コンサルティング有限会社(SHIS)は、上海華鐘コンサルティング有限会社のシステム部が独立したもので、この前身のシステム部時代を含めると14歳の会社です。メンバーも入れ替わりがあるものの、コアメンバーは10年選手ばかりです。私も2000年の入社当時からシステム部のサポートを依頼され、共に歩んで10年が過ぎました。 |
2000年、新天地-上海での挑戦
私が中国へ来たばかりの2000年頃、中国と日本は一衣帯水の国である、という記述をよく見かけました。一衣帯水とは、「両者の間に一筋の細い川ほどの狭い隔たりがあるだけで、きわめて近接している」ことを表現する四字熟語ですが、最近では滅多にお目にかからなくなりました。この時期は、日本企業の中国進出がまだ爆発的に多くなる前で、中国への赴任者は、事前情報があまり入らないため、「地理的にも近い中国、互いの顔も似ているし、きっと生活習慣も思考回路も似ているに違いない」との思いを胸に中国の地を踏む方が多かったのではないでしょうか。
その後、2003年頃から急激に日本企業の中国進出が進み、「中国での現実」を目の当たりにする方が多かったのでしょう。日本と中国は「似て非なる国」の言葉を目にする機会が増えていきました。
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日本人と中国人の思考回路の違い
両者の間の考え方の違いを意外なところで経験しました。「上海生活10年目にしてようやく?と思われそうですが、紹介します。つい先日のことですが、部屋の模様替えをした我が家で、家具と壁の空間にベッドを配置する際のことです。ベッドの幅が空間より広い(隙間に入らない)と感じた私は、「入らないよ。隙間を広げないと入らない。」と一言。それを聞いた主人(中国人)は「没問題、没問題(大丈夫、大丈夫)。」とベッド移動スタート。その結果…やはり隙間には入りませんでした。主人は「大丈夫だってば。隙間を広げられれば入るじゃない。」と言い張ります。
たいしたことのないやり取りではありますが、私はこの時、思考回路の違いをはっきりと感じたのです。主人の「大丈夫」には、「隙間を広げることができれば」という前提条件が成立しなければ大丈夫ではないのです。だめだけどこうすれば大丈夫という考え方と、大丈夫だけどこれをする必要がある。というのでは、かなり違いがありますよね。
これを会社での上司への報告などに置き換えた場合は、どうでしょうか。日本人管理者が何かに対して「問題ないかね?」と確認を求めたときに、「問題ありますが、こう解決すれば大丈夫です。」と報告する日本人部下と「問題ありません。(でも問題がない状態にするには前提条件が必要)」と報告する中国人スタッフ。互いに長年慣れ親しんできた報告の仕方、かなり単純な例ではありますが、やはり考え方感じ方の差というのは、至る所で発生します。
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思考回路の違いを知るためには十分な意思疎通を
数年前と比べ、日本語を話す中国人スタッフの数が格段に増えました。当時は日本語人材といえば「通訳さん」が一般的でしたが、今では、財務会計スタッフ、営業スタッフも日本語で業務を遂行されている方も多く、また逆に駐在員で中国語のできる方の割合も多くなっています。
しかしながら、よく観察してみると管理者とスタッフ間で日本語または中国語で意思疎通できる環境がそろっているのにもかかわらず、お互いに意思疎通に問題があるケースが多いようです。日本語で細かいニュアンスで説明するのが少し苦手というならまだしも、回答すると自分に仕事が回ってきてしまうとか、面倒だから結果しか言わない、自分は通訳ではないという理由で、あまり積極的に日本人管理者と日本語でコミュニケーションをとらないという人もいます。管理者側は、スタッフの対応に疑問が残るものの、こちらもあまり積極的に追及することはしません。通常の業務はこれで何とかなるのですが、例えばシステム導入などの大規模かつ新しいことを実施する際には、とたんにコミュニケーションの壁が厚く立ち塞がります。こんなときは、弊社が中国人スタッフの口となり、また管理者の口となり業務を遂行しますが、すごくもったいないなと思うのです。同じ会社にいて同じ時間を共有するのであれば、ぜひぜひ、飲みニケーションや食べニケーションをしていただきたいと思うのです。
弊社の業務スタッフは、日本語は聞き取れますが話しません。このため、日本のお客様との打ち合わせやデモンストレーション、提出する報告書は通訳や翻訳で日本語にして伝えます。逆に日本のお客様の要望や資料は中国語にしてスタッフに知らせます。もちろん、プロジェクトを推進するにあたってのコミュニケーションは、できるだけ時間を取るようにしています。
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最後に
SHISでは、ハードウェア、ソフトウェアの販売やシステム/ネットワークの保守アウトソーシングを提供するほか、ERPシステムの導入コンサルティングにも力を入れています。特に、2005年からは、中国の市場シェアNo.1の用友ソフトと戦略的パートナーシップを締結し、中国の日系企業様向けに財務会計ソフト、ERPシステム、人事管理ソフトの導入をお手伝いしています。また、2009年9月には新たに“Web作成コンサルティング業務”をスタート。Webサイト構築のお手伝いをはじめとした、企業イメージアップツールコンサルティングをスタートするほか、2010年から、財務会計ソフトをメインとした財務会計コンサルティング、代理記帳業務をスタートします。コンピューターでお困りの方、財務サポートを必要とされるお客様のお役に立てれば光栄です。
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